「潜在需要」を探る
潜在需要層にゴルフ未経験者と経験者は何人いるだろうか?

アダム・シュパック(Adam Schupak)

2019年5月

 ゴルフ業界のリーダーたちは、2019年4月、サンディエゴのランチョベルナルド・インで開催されたNGFシンポジウムに集まりましたが、エヴァン・マルターは息子をホッケーの練習に連れて行くために学校の待ち合わせ場所にいた。
 ・・・ゴルフを諸事情で中断している2人の男の子の父親である45歳のマルターとゴルフを再開したいと思っているデレク・ビルチクの紹介がありますが省略・・・
 マルターとビルチクは自分たちをゴルファーとして数えているが、業界の判断は違います。
 NGFの基準では、ゴルファーとして正式にカウントされるためには、昨年中にコースでプレーしていることです。

 彼らのような人々は、NGFシンポジウムで取り上げられた潜在需要層に分類されます。これは、過去1年以内にコースでゴルフプレーをしなかったが、興味があるという人の推定値です。
 ゴルフに非常に興味を持っているという「NONゴルファー」の人数は、過去5年間で500万人増えて1,470万人になります。「ある程度」興味があるとする人たちは3270万人を数え、彼らをゴルフに誘うことで、巨大な成長の機会を得られることになります。
 潜在需要層のほぼ半分は、過去1年間に限らず、過去にプレーしたが最近プレーしていない人たちで、マルターとビルチクの両方がこのカテゴリに分類され、残りはコースでプレーしたことがない人たちです。
 そして、この潜在需要層に分類される人たちのほとんどは、ゴルフの経験がほとんどないことに注意することが重要です。以前にプレーしたことのある人の3分の2は、自分の人生で10ラウンド未満のゴルフ経験しかありません。

新規ゴルファーと関心度
 2018年に260万人が初めてコースでゴルフをしました。これは、NGFが過去30年以上にわたり記録した中で最高の数字です。ゴルフへの関心についてさらに全体像を見ると、前年は1億700万人のアメリカ人がゴルフを楽しみ、見たり読んだりしました。これは、5歳以上のアメリカ人口の36%に当たり、前年を10%上回っています。
 4月にタイガー・ウッズがマスターズで優勝する以前、彼が背中の手術からの復帰した時にはすでに、彼がプレーしたトーナメントのテレビ放映の視聴率はほぼ30%アップしていました。彼はまた、ゲームへのリーチを12%向上させることに貢献しました。昨年は、7400万人以上の非ゴルフ愛好家がゴルフゲームを見たり読んだりしています。PGAオブアメリカのCEOであるセス・ウォーは、マスターズでのウッズの勝利が継続的な成長の触媒になる可能性があると言っています。
 「彼の参加が、彼が登場した時と同じ効果があることを願っています。成長指標の多くはすでに良好な市場の動きを示唆しており、これが市場の成長を少し加速させることを期待しています」とウォーは話しています。

平日の午後、高校生でいっぱいのドライビングレンジ

 潜在需要が引き続き強いという事実は、祝福であると同時に呪いでもあります。
 この統計結果は、ゴルフをしたいという強い願望と米国の大衆がスポーツへの参加を積極的に認識していることを物語っています。この高い関心は、業界にゴルフゲームを成長させる機会と新しいゴルファーの誕生という流れを市場にもたらす機会を提供します。しかし、それはまた、業界がゴルフに非常にまたはある程度興味を持っている4740万人とつながることができていないことを示唆しています。
 ゴルフ業界は、ゴルフゲームを簡単に試した人たちの大半を占める興味を失ったまたは中断しているゴルファーを呼び戻す方法を考案するだけでなく、「強い関心」を新しい試行に導き、最終的にはより献身的なゴルファーに育成する必要があります。
 良いニュースは、これまで以上に挑戦する機会が増えたことです。第一に、ゴルフコースの約75%がすべてのプレーヤーに開放されており、パブリックコースの比率が史上最高になっていることです。また、ゴルフは週末に18ホールを、家族と6時間も離れてプレーする必要はないという認識と受入への取り組みが高まっていることです。3ホールや6ホール、9ホールの単位で子供たちと交流することができます。Topgolf、Drive Shack、BigShotsなどのゴルフコース外の参加スペースで夜を過ごすこともできます。練習や仲間とのプレーなど屋内シミュレーターに費やす時間が増えることもあります。
 最も難しいハードルは、多くの場合、トライアルから積極的な参加へのステップです。近年、ゴルフ初心者の人数は5年間で200万人を超えていますが、全体の参加者数はこの間に目だった増加は起きておらず、これらの新規参入者の“続ける”という課題が挙げられます。

若いうちにゴルフを経験すると、将来、熱心なゴルファーになる可能性が高くなります

 Global Golf Advisorsのパートナーであるヘンリー・デロジャーは、「人々に本当に継続してゴルフをもらう」ためには、ゴルフ業界がゴルフ施設で新規参入者がゴルフをするように誘うためのより良い仕事をする必要もあると指摘しています。
 そこでWelcome2Golf活動が始まります。NGFを中心とする市場活性化キャンペーンであるWelcome2Golfは、ゴルフへの関心の高い非ゴルファーと休眠ゴルファーを市場へと呼び込むための次のステップへと進め、ゴルフコース、ゴルフ練習場、またはTopgolfのような施設に足を運ばせて、ゴルフクラブを振る人を増やすことができます。
 Welcome2Golfは、今年の夏にデンバーでテストマーケティングが行われます。デンバーは、潜在需要層が約65万人と推定される強力なゴルフ市場です。Welcome2Golfの目的は、ゴルフによりアクセスしやすくするための新しいウェブサイトの運営で、ゴルフへの関心を活性化し、ゴルフの認知度を高めることです。
 「潜在需要は過去5年間増加しています。NGFの社長兼最高経営責任者であるジョー・ベディッツ(Joe Beditz)は次のように述べています。「人々はゴルフをすることに非常に興味があると言っていますが、そうではありません。私は、彼らに、なぜあなたはこれまで行動しなかったのですか?と彼らに尋ねたい」。答えは往々にして単純です。「私は招待されていません。どこに行けばいいのかわかりません。一緒にプレーする人がいません」私たちは人々に始めるきっかけを与えたいと思っています」。

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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