オーストラリアゴルフ協会(Golf Australia)は、2019年の加盟クラブレポートで、ジュニアゴルファーが前年比で2.7%増えたと報告しています。関連する動きとしては9ホールプレー(Play9)が33%も増えています。9ホールのラウンドを受け付けているクラブ数は838クラブと、全クラブの半数以上で採用されています。※R&Aの項参照
また、競技会参加者も1053万人を数え、2%増加したと報告しています。参加者の年間の平均ラウンド数は27.5ラウンドで、前年より0.6ラウンド増えています。
クラブに加入するメンバー数は38万3794人で、前年比0.05%増ということですが、5年前との悲歌腕は0.8%の減少になっています。女性比率は20%と高いです。平均年齢は56.3歳。
ただ、全体の参加数(15歳以上)は87万8000人で前年比14%も減少でした。オーストラリアは世界で5番目にコース数が多い国です。R&Aの調査レポートでは1532施設(18ホール換算で1616コース)ありますから、87万人という数字は少ないと思われたはずです。クラブレポートですから、クラブメンバーとHDCP登録者などで何らかの登録をしている人(?)を含む人数だと思われます。成人人口比は4.2%だそうです。総人口比では1.7%だそうですが、クラブ加入者数とするとこの程度かもしれません。ずいぶん昔の特定サービス産業実態調査報告で会員数は200万人強だったと記憶しています。ちょうど同じ程度の比率になります。成人人口比で1.8%、ジュニアは0.5%です。
クラブのメンバー数が増えているのが全クラブの内の39%、変動なし9%で、少し減少が55%です。ただしソーシャルクラブのメンバーは増えているとのこと。街中にある205のシティクラブでは0.9%減少しているそうです。1106の会員制クラブ全体では、登録会員数は0.2%の減少と報告されています。社会的な交流の場へのニーズは高いようです。たぶん、日本でも同じ傾向がある(出てきそうな)気がするのですがどうでしょう。
紹介した2019GOLF CLUB PARTICIPATION REPORT OF AUSTRALIAは、以下のURLからダウンロードできます。表紙込みで46ページの年次報告書です。毎年発行されています。こういうゴルフ白書は日本こそ必要だと思うのです。オーストラリアだけでなく、カナダやヨーロッパの何カ国(KPMGがサポート)でも発表しており、米国はNGFが、英国もR&A(イングランドゴルフ協会)から発行されています。同時に中長期のゴルフ振興プランも出されています。ビジョンがあって、プランを実行する、当たり前のことが当たり前に取り組まれています。その結果が、今回のオーストラリアのジュニアゴルファーの増加、競技人口の増加という結果を生んでいると考えるのが普通だと思います。
※R&A:9ホールプレーは、R&AやUSGAも推進しており、R&Aは9ホールプレー普及に熱心で、9ホールチャレンジトーナメントを毎年開催(2020年はCOVID-19の流行で中止)しており、2021年R&A 9ホール・チャレンジ・ファイナルが、7月10日(土)にロイヤル・セント・ジョージズで開催されます。
R&Aの調査では、ゴルファーの60%が、時間がかからない方がゴルフをより楽しめると答えていることから、2016年にロイヤル・トルーンで9ホールのパイロット・イベントを開催し、以後、毎年恒例の9ホール・チャレンジを開催しています。