2022年8月18日
私はかつて、ある経済学者に、私たち(ゴルフ業界)は不況に向かっているのかと尋ねたことがあります。
「私たちは一つではないですね?」と彼は返してきました。劇的効果が起こる前の一時的な停滞であれば、それなら、私たちは不況に向かっているのです。
ゴルフビジネスは、過去50年間に8回の不況を経験してきました。そして、まだ不況に陥っていなければの話ですが、今回もまた、新たな不況に向かっているのかもしれません。全米経済研究所(NBER)は景気後退への懸念を認めてますが、今年は2四半期連続でGDPがマイナス成長で始まったにもかかわらず、まだ現在の状況を景気後退と断定していません。
景気後退が近づくと、”ゴルフは景気後退に強いのか?”という疑問が生じます。簡単に言えば、そうではない。いや、そうではない。
この質問は、1980年代後半に私が初めて受けたものですが、1990年に出版された「ゴルフショップ・オペレーション」の表紙が証明しているように、何年も前から繰り返し聞かれるものです。
とはいえ、私たちにはいくつかのアドバンテージがあります。私たちの顧客層は、その47%が10万ドル以上の世帯所得者であり、一般的に裕福な顧客基盤に支えられています。不況が深刻化しない限り、この程度の所得があれば、消費は継続的に行われるはずです。しかし、米国のゴルファーの残り53%は世帯収入が99,000ドル以下の所得層です。このゴルファー層の多くは、より裕福なゴルファーよりも、より不況に対して敏感です。
私たちは、不況の再来は避けられないと思いつつ最近、ここ数年ビジネスが好調なゴルフ場経営者からアドバイスを求める質問を受けました。
「質問です。どのような準備が必要ですか?」
私たちの答えは 顧客体験を強化することです。
NGFは、最も成功しているゴルフ場運営会社や管理会社と継続的に共同して活動をしていますが、そこで得られた共通点は、優れた人材と優れた製品を組み合わせたレシピを使用して、常に思い出に残る体験を作り出そうという意欲があることです。特に、不況が迫っている現在では、多額の資金を投入することなく、顧客の満足度を高めることに重点を置くことが重要です。
カスタマー・エクスペリエンス(CX)を向上させることは、決して新しいアイデアではありませんが、ほとんどの企業にとって、単なるアイデアに過ぎません。しかし、CXを企業文化や戦略の一部とした企業は、競合他社を凌駕し続けています。AppleやChick-Fil-A、サウスウエスト航空のような企業を思い浮かべてみてください。
ゴルフの体験が忘れられないほどポジティブなものになるようにするためには、さまざまなアプローチがあります。ベストプラクティス(https://www.ngf.org/improving-the-customer-experience/)はこちらで8つ紹介されています。
一つのアイデアがあります。匿名の友人を送り込み、施設を「シークレットショッピング」してもらうのです。シークレットショッピングは、隠れて様子を見る覆面調査ではなく顧客体験の調査です。優れた企業は定期的に行っていますし、「アンダーカバー・ボス」に出演するような極端なやり方をする企業もあります。どのような体験を提供しているのか、不況のさなかに人々があなたの施設でゴルフをすることを選ぶと思うかどうかを知ることができるのです。良いことも悪いことも含めて、驚くような発見があるかもしれません。
まず顧客体験を知らなければ、欠点を改善するための手段を講じることはできません。マーク・トウェインはこのように言っています。”It’s not what you don’t know that kills you, it’s what you know for sure that ain’t true.” (見ぬは極楽、知らぬは仏。自分に知らないことでは心は痛まない)
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ところで、このアドバイスはコース運営者だけでなく、すべてのゴルフビジネスに当てはまるものです。シークレットショッピングの調査は、私たちNGFチームが請け負う多くのプロジェクトのひとつに過ぎません。私たちがお役に立てることがあれば、ぜひお聞かせください。
出典:https://www.ngf.org/is-golf-recession-proof/