2022年3月31日

 タイガー・ウッズは1999年から2000年の2年間で四つのメジャータイトルを含む17のPGAツアータイトルを獲得するという快挙を成し遂げました。彼の知名度と人気はレクリエーションゴルフを盛り上げ、この2年間で480万人以上のアメリカ人がゴルフを始め、その多くがウッズの活躍をきっかけにゴルフクラブを手にしました。

 そして直近の2年間で、米国におけるゴルフ初心者の人数は、ウッズの最盛期だった頃よりも増えています。伸び率でほぼ30%増です。Covid-19のパンデミックの中で、人々が友人や家族と日常を取り戻せる安全なアウトドア活動を求めたことから、初めてコースでゴルフをしたアメリカ人は、2020年に300万人、2021年は過去最高の320万人でした。

 「タイガー効果」のように、「Covid-19効果」がゴルフへの関与を促進する上で、それなりの力を発揮したことは間違いありません。そして、ゴルフ施設やゴルフ・エンターテインメント施設以外でのゴルフの楽しみ方が増えたことから、ゴルフ全般に対する世間の評価が良くなったことなど、他の要因もゴルフの普及を後押ししているのです。米国ゴルフマーケットでは、1999年と2000年にタイガーが紹介した240万人の初心者の数を6年連続で上回っています。

 しかし、今世紀に入った頃、あまり語られることのない興味深い現象が起きていました。ゴルフ参加者が増えるにつれ、ゴルファー1人当たりの平均ラウンド数が減少しているのです。これは、当時、タイガーがゴルフをカッコ良く見せてくれたためか、ゴルフに挑戦した人の多くが、あまりプレーしなかったことを示唆しています。

 それに比べ、現在のゴルファー1人あたりの平均ラウンド数は増え続けています。確かに、長く熱心に通っている人が多いのですが、最近のビギナーも昔より多くプレーしているのです。パンデミック以前の過去4年間、初心者の年間平均ラウンド数は12回を超えています。10年前と比較すると、初心者のラウンド数は5割以上増えています。

 現在の状態は、Covid-19バブルに起因しているのでしょうか。これは時間が経てばわかることですが、今の指標はそうではないことを示唆しています。

Joseph F Beditz, Ph.D.

米国ゴルフ財団社長兼最高経営責任者

出典:https://www.ngf.org/a-boom-in-beginners/

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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