2020年3月6日
アディソン・バーデン、農学者、USGA南東部地域担当
健康な根とゴルフコースの良好な芝生表面の関係は、どちらが先かという鶏と卵のパラドックスの関係ではありません。活力のある芝の根は、ティーイングエリアからグリーンまでの優れたプレイアビリティを作る出す基本です。健康な根組織がなければ、良いプレー条件を作るために私たちが必要とする葉の成長が望めません。プレーヤーはラウンドを楽しみながら芝生表面の状態に集中しますが、ゴルフコースを管理するグリーンキーパーは何よりもまず芝生の下の土壌中に健康な根組織を作り出すことに集中します。
根は、健康な植物の生育に不可欠な3つの要素である組織構造、土壌水分吸収、栄養素の吸収に関係しています。このほかにも根は、複雑な能力を持っていますが、この三つの要素はゴルファーにとっても最も重要な要素です。これらの要素はすべて目に見えない地下で行われているため、ゴルファーは根の影響を忘れがちです。私たちにとって幸運なことに、グリーンキーパーは、私たちが求める芝生表面を作り出すために必要な健康的な根組織を管理する専門家です。健康な根を作り出すいくつかの重要な作業は次のとおりです。
エアレーション(曝気)
エアレーションは、健康な芝草や良好なプレー条件を維持するのに有害な望ましくない土壌や有機物を除去または分解するために実施されます。エアレーションで空けられた通気孔を砂で満たす作業は、根にとって理想的な成長環境を提供し、良好な排水環境を作り出します。土壌中の有機物と砂の割合が適切であれば、根は適切な水分と栄養分を吸収し、ガス交換するという「呼吸」をすることができます。
肥料
目的に合った肥料は発根を促します。適切な肥料量とタイミングは、植物の生長プロセスに不可欠な栄養素を吸収する高密度で健康的な根の成長を促進します。
かんがい(イリゲーション)
グリーンキーパーは、より深く、頻繁に散水することにより灌漑をあまり必要としない深い根の伸長を促進します。土壌の深い部分まで浸透するように十分な水を加えてから、可能な限り間隔を空けから再び散水することで、根が水を下方に探しに行くように促します。散水作業が適切に行われると、芝の健康に多大なメリットをもたらし、水の使用量を削減し、良好なプレーコンディションをもたらします。
このほかにもグリーンキーパーが健康な根と良好な芝生表面を作り出すために利用できる多くの戦略がありますが、ゴルファーが知っておくべき最も重要なことは、スムーズなパッティンググリーンや高品質のフェアウェイを作り出す土台は土壌の中にあるということです。
原文:https://www.usga.org/content/usga/home-page/course-care/green-section-record/58/5/healthy-roots-bring-good-playing-conditions.html