時代遅れになっていたボビー・ジョーンズの名前を冠したゴルフコースは、ゴルフゲームを盛んにするアイデアに満ちたコースにリニューアルした

マイク・ブトー

2019年10月

アトランタのボビー・ジョーンズ・ゴルフコースは手狭な18ホールにコースで、時代遅れの施設となっていたが、引退したアトランタの弁護士マーティ・エルジソンによって改修されたコースは、現代に求められているパブリックゴルフコースのモデルに様変わりした。
アトランタのバックヘッド地区の中心にあるわずか128エーカー(52ヘクタール)の用地に造られたボビー・ジョーンズ・ゴルフコースは、1932年にオープンしたアトランタで最初のパブリックゴルフコースだった。
靴ベラを並べたようなレイアウトの18ホールのコースは、「実に評判の悪いコースだった」とエルジソンは語る。「危険だった。ブラインドショットが飛び交い、それは恐ろしい状態だった。プレイするにはたった25ドルしか必要でなかったが、お金を払ってプレイしたいコースではなかった。25ドルの価値もなかった。
ジョーンズが現代に生き返り、自分の名前がつけられたコースを目にすれば、彼は間違いなく疑問を持っただろう。


リバーシブルなレイアウトとなったボビー・ジョーンズ・ゴルフコース。各グリーンには、毎日2つの旗が立つ

新しくなったコースは、ボビー・ジョーンズ・ゴルフコース財団の会長でジョージア州ゴルフ協会の前会長であるエルジソンとチャックパーマーがプロジェクトのために総額2,300万ドルを調達し、2018年11月に再開場した。このコースは、ユニークな9ホールのリバーシブルレイアウトとなり、すべての世代と能力のプレイヤーに対応するために、9ホールのすべてに8つのティーを備えている。大きなダブルグリーンには、毎日2つのカップが切られ、ある日は、ツツジコースの9ホールを、別の日には逆方向にマグノリアコースをラウンドする。ショットガンスタートのイベントでは、ゴルファーは9ホールをプレイした後、向きを変えて9ホールを反対方向にプレイする。
再開発によって、最新式のドライビングレンジと屋内教育施設、ショートゲーム用の練習場と、そしてこのプロジェクトにボランティアで参加し2016年に亡くなったコースデザイナーのボブ・カップに敬意を表して命名された6ホールの「Cupp Links」ショートコースが設けられた。

再設計されたボビー・ジョーンズ・ゴルフコースのレイアウト

コースの運営のために非営利財団を設立し、大企業からの慈善寄付を集めるとともに、市と州とパートナーシップを結び、コースは州が所有して50年間の契約で財団にコースをリースしている。
「ネーミングライツ」の販売で、すべてのホールは、50年間にわたって15万ドルでスポンサーに販売された。

ゴルフコーススポンサー
PGA TOUR Superstoreは、40ステーションのドライビングレンジを後援している。カートをコースに寄付したClub Car Inc.はカート納屋を寄贈し、Delta Airlinesは教育施設を後援している。他の企業スポンサーには、コカ・コーラ社やサウザンカンパニー、および多数の関係する財団が含まれている。
エルジソンはこの非営利モデルについて「スポンサーシップと慈善寄付は、お金を集めるために必要なモデル」だと話す。
Arthur M. Blank Family Foundationを通じて、PGA TOUR Superstoreは、ジュニアおよび障がい者を対象としたゴルフゲームを成長させるというボビージョーンズ財団の使命を支援するために100万ドルを寄付した。ボビージョーンズ財団はまた、アトランタの歴史的なウェストサイドコミュニティへの積極的な支援と地域コミュニティから従業員を雇用するよう努めている。
新しいクラブハウスは、近くのイーストレイクゴルフクラブでジョーンズと定期的にゴルフをしたジョージア州の元バドワイザー販売代理店であるスチュアートマレーに敬意を表して、マレー財団ゴルフハウスと名付けられた。2万3000平方フィート(2100㎡)の建物は、ジョージア州ゴルフ協会、ジョージアPGA、ジョージアゴルフ殿堂の施設ともなっている。この建物はジョージア州のゴルフの本拠地になっている。
また、企業のスポンサーは重要な役割を果たしているが、州のゴルフコミュニティの支持を得ることなく、プロジェクトが軌道に乗ることはなかった。
「支持がなければ、これのプロジェクトは起こりませんでした」とエルジソンは話す。「自治体にはゴルフ場を改修するための資金がありません。彼らにはその予算はなく、やるべきことの(TODO)リストにもない。これらの古いゴルフコースを保存するのはゴルフコミュニティのあり方にかかっています」
さらに、練習場の遠端にある練習施設は、障がい者のゴルファー向けに、1週間に六つのプログラムがあり、ドライビングレンジは有効に活用されている。このコースでは、恵まれない子供たちをゴルフに誘うために、週2回メトロアトランタYMCAの活動に利用されている。
「このドライビングレンジでは、ほぼ毎日笑顔が絶えません」とインストラクションディレクターのジャスティン・マーティンは話している。「できるだけ多くの人々をゴルフの試合にできるだけ多くの人々が参加できるように、できる限り多くの用具などの資材を用意しています。過去10年間に十分に機能してこなかった「ゴルフゲームを成長させる」イニシアチブを考えてみると、必要なすべてがこの一つの施設にあります。すべて揃っています」。


ボビー・ジョーンズ・ゴルフコースのツツジコースの5番目のホール

需要と供給
アトランタ地域には約600万人が住んでいますが、パブリックゴルフが不足している。全国のゴルフコースの75%がパブリックだが、アトランタとその周辺はこの比率が52%に下がる。そしてアトランタアスレチッククラブやピーチツリーゴルフクラブなどの有名なプライベートクラブでよく知られている。NGFの調査によれば、アトランタメトロエリアには、ゴルフに関心のある非ゴルファーの人数は全国で9番目に多い。
「町の中心にこれほど良い公共施設はありませんでした」と、ボビー・ジョーンズ・ゴルフコースからわずか数マイルのところで育ったマーティンは言う。
コースでは、1ホールあたり8つのティーエリアを提供し、すべてのプレイヤーが自分の能力に合った距離を見つけることができます。このティーシステムは、U.Sキッズゴルフの創設者兼CEOであるダン・ヴァンホーンによって開発され、すべてのプレイヤーがパー4ホールを2打でグリーンにのるように設計されている。グリーンを除くコース全体がフェアウェイの高さに維持され、ティーボックスはレイアウトに干渉しない。
すべてのパブリックコースがボビージョーンズモデルのすべての要素を採用できるわけではないが、マルチティーシステムや革新的な流動性のある価格設定モデルなど、他のコース所有者が組み込むことができる要素がいくつかある。価格は、航空券やカーシェアの価格設定と同様に、曜日と需要に基づいて変動させている。この概念は、他の業界で一般に採用されているものだが、ゴルフの世界では浸透していない。
「こうした価格設定により、毎日詰め込む必要のない価格設定モデルを構築できます」とゼネラルマネージャーのブライアンコンリーは言う。「顧客が利用枠を消費する方法を制御するシステムを構築しました」。
たとえば、火曜日の午後の9ホールのラウンドは25ドルから55ドルの間で、土曜日の朝の18ホールのレートは、需要と時期に応じて38ドルから98ドルの範囲となる。また、コースのウェブサイトで購入したか、対面で購入したか、サードパーティのティータイム予約システムで購入したかによっても価格が異なる。最優先事項は、ウェブサイトで予約する顧客になる。
「それが私たちの忠実なデータベースです」とコンリーは言う。「それが常に最高のレートです」。
予約無し顧客はより多くの労力を必要とし、コースは利用者に関する多くのデータや情報を収集できないため、価格はわずかに上昇する。


ボビー・ジョーンズ・ゴルフコースでのプレイの準備

ゴルファーは、歩いたり、Bluetoothを装備し、音楽やライブTVをストリーミングできるゴルフカートに乗り、カートは、秋の土曜日の朝にゴルファーを引き付けるための重要な機能だ。
「私たちは皆同意しています。ゴルフには変化が必要です」とエルギソンは語る。「私たちはミレニアル世代を取り込む必要があり、ゴルフをもっと面白くする必要があります」
ボビー・ジョーンズ・ゴルフコースを訪れると、現代のパブリックゴルフコースの劇的な進化を目にするはずだ。
「Field of Dreamsよりも優れています」とエルジソンは話している。

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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