HDCPの分布とスコアの分布は違うという話

 月刊ゴルフマネジメント9月号でハンディキャップインデックスについて紹介しました。実は、ゴルファーの全体像との比較も考えていたのですが、誌面の都合で紹介できませんでした。HDCPを持っている人は登録中のゴルファーを含めて約64万人ですから、ハンディキャップ(HDCP)保有者の数値だけではゴルファーの全体像を表せません。一番気になっていたのはスコアの分布です。HDCP保有者のスコアは想像できます。平均のHDCPが男性で16・7、女性で19・9ですから、平均的にとなると男女とも90前後のスコアということになります。この数字は、ゴルフ競技志向(いまや倶楽部メンバーの特権という意識はないと思いますが)の強いゴルファーの実態を示したもので、一般ゴルファーの実像を表したものではありません。よく言われる100は切りたいと思うことと、100切りが普通は違います。

 HDCP保有者はゴルファーの約1割(9月号を参照)ですから、残り9割の一般ゴルファーの実像を知らずに日本のゴルファーを語れないはずです。といことで、一般ゴルファーのスコア分布とJGA-HDCPの分布を比較しました。

 といって、比較する一般ゴルファーのスコアデータがほとんどないのです。ゴルファー向けの雑誌とかでアンケートを取っているのですが、無作為で抽出したゴルファーのデータでないこと、そして、あまりよくないスコアを答える人は少ないとも考えられますし、偏りが考えられます。クラブメーカーなどのアンケートも、メーカーの顧客アンケートですからやはり偏りが考えられます。

 比較するのは公益社団法人日本パブリックゴルフ協会(PGS)の「平成24年度 調査・研究事業報告 PGSゴルフ需要調査 集計分析報告書」にある平均スコアからのデータです。スコアが10刻みですから簡易的にスコア70台をシングルHDCP、80台をHDCP10台、90台はHDCP20台、100台以上をHDCP30台としました。

平均スコア:公益社団法人日本パブリックゴルフ協会「平成24年度 調査・研究事業報告書 PGSゴルフ需要調査 集計分析報告書」より
JGA-HDCP:シングルにはプラスHDCPを含む

 構成比は表を見ていただくとして、HDCPは9月号で紹介したように正規分布しますが、スコアは多い方にJカーブを描きます。ゴルファーの実態は、たくさん叩く人の方が多いのです。HDCPのグラフと比較すると、スコア100以上の人はHDCPの必要性をあまり感じていないことになります。新ぺリアでOKということのようです。もしも、HDCPの普及を目指すならゴルファーの腕前を上げるサポートをするのが対策ということにもなります。JGAとPGA(LPGAも)がタッグを組んでゴルファーのスコアアップというのも一つの案?

そして、HDCPの状況を元にゴルフ政策を論じられたら、全体像を見誤ることになります。

月刊ゴルフマネジメント9月号 ヘウレーカ!4 HDCP-INDEXは以下のPDFをご覧ください。

GM2109_ヘウレーカ

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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