新型コロナウイルスによるゴルフ場利用者数の動向を、経済産業省の特定サービス産業動態調査(特サ動態)から推測すると、5月以降4%程度の利用者数の増加を確保しなくてはいけないようだ。
データの詳細は経産省のホームページ(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result-2.html)で確認していただくとして、1~4月の利用者数合計は236万3686人で、対前年同期間の比較をすると13.4%の減少となっている。調査地域は、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県の8都道府県で、大都市圏が多く含まれるが先行指標として考えることができる。
新型コロナウイルスによる利用者数への影響は確実に現れていると考えられるが、1~4月期での13%の落ち込みは、年間利用者数を前年並みまで回復させるには5月以降毎月4%強の対前年比で増えないと不可能になる。
同じ比較が米国ゴルフ財団(NGF)で行われており、ほぼ同じ設定で推計してみた。傾向であり、パーセンテージだけで表示すると図のようになる。算出方法は、2019年実績から1~4月の累計を差し引いた利用者数を8等分し、昨年の毎月の利用者数にプラスして実績を確保したとすると、8カ月間を年率で4%の増加で帳尻が合うことになる。
一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)から発表されているゴルフ場利用税から見た利用者数では、過去10年間で2012年の2.9%があったが、3%の増加では1%前後の減少となり、5月以降もコロナウイルスの影響がみられることから、2%の増加を確保したとして比較のため図に示した。なお、5月以降、昨年並みで利用者数が推移すると3.4%の減少が予測される。
NGFでは最終予測利用者数を前年並みと4%減と推定して予測をしているが、日本の場合は毎月の実績が把握できることから人数を案分して推計してみた。今後、どのような利用状況になるのかは明確な予測はできないが、英国のようにロックダウンが行われ、約3カ月ゴルフが楽しめなかった反動で、利用者数が大きく増え、新規入会者がたくさん見られる状況とは違い、日本では、感染対策や新しい生活習慣の中ではダラダラと回復するようにも思える。経営的には客単価の動きが気になるところだ。業界として総合的で計画的なゴルフ振興策の立案などを今から取り組む必要があるだろう。