今年は、米国のゴルフコースの供給減に歯止めが掛かる見通し見えてくる年になるかもしれません。過去15年間、世界最大のゴルフ市場における総供給量はゆっくりと縮小してきましたが、これは過去15年間にゴルフコースが過剰に建設されたことに対する「修正」を反映したものです。

 過去15年間で18ホール換算のコース数(18HEQ)が1,606減少している一方で、それ以前の15年間では18HEQで3,631増加しており、30年前に比べて18HEQが2,025個純増しています。次のグラフは、過去の供給量の変化の割合を示しています。

 注目すべき点は二つあります。まず、左側の棒グラフと右側の棒グラフの大きさを比較してみてください。先の15年間は棒グラフが大きくなっていますよね? これは、本格的な開発が始まったことで2,000以上のコースが増えています。次に、グラフの右端を見ると、マイナスの変化率が小さくなっていますが、これは現在、市場調整が終焉を迎えていることを示しています。

 NGFは毎年、米国内のすべてのゴルフ場の営業状況を電話やEメールで確認していますが、今年半ばの時点でデータベース検証チームが記録した18HEQの閉鎖件数は60件と、昨年の同時期に比べて46%減少しました。年末までの予測では、18HEQの純増数は約100件のマイナスとなると思われます。これは総供給量の約0.7%に相当します。

 米国ではゴルフ場の閉鎖数がゼロになることはありません。この100年間ではありえませんでしたし、業界を問わず、毎年多くの中小企業が廃業しています。ある人は市場が変わったから、ある人は最初から市場規模予測を見誤ったから。また、その不動産として他に経済的に「より高く、より良い」用途が存在するという理由もあります。最後の理由は、開発可能な土地の需要が強い、人口増加の中心地やその近くにある古いゴルフ場のケースに多く見られます。確かに、魅力的な出口戦略を提示されたゴルフ場オーナーがキャッシュアウトすることを責めることはできません。多くの場合、彼らには末永い幸せな老後を送っていただきたいと思います。

 検証作業は継続中です。年内にはデータベースを更新して、最終的な数字をお知らせします。

ジョセフ・F・ベディッツ(Ph.D.)

米国ゴルフ財団(National Golf Foundation)社長兼最高経営責任者

出典:https://www.thengfq.com/2021/08/course-supply-leveling-out/

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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