業界全体の合意では、50人以下の集まりに限定することを推奨しています。

2020年5月26日

GCIスタッフ

COVID-19とゴルフ
 ゴルフ業界は、責任あるゴルフの復活に向けた協力関係を継続しており、Back2Golf Operations Playbook(バージョン3.0)の更新と追補を発表しました。更新されたプレイブックと追補は、Back2GolfのフェーズIIの一部であるアマチュア競技会とジュニアプログラムの再開に向けた業界の指針となる提言を提供しています。

 USGA、PGA of America、American Junior Golf Association、First Teeを含む業界をリードする組織からの意見を取り入れ、追補は第2フェーズのガイドラインを提供しています。その中には、50人以下のコンペの制限、いかなる種類の身体的接触の禁止、布製の顔面カバーの要件、受付(フロント)エリア、練習エリア、飲食店の運営、設備、トイレ、コース上でのプレー、スタートに関するその他のプロトコル(手順)が含まれています。

 USGAのCEOマイク・デイビス氏は、「ゴルフはゲーム以上のものであり、それはコミュニティであり、この取り組みは、我々がどのように協力し、我々の業界に最高のサポートを提供できるかを示す最近の例の一つです。[Back2Golf]は、私たちのアライド(提携)ゴルフ協会と会員施設が仕事を再開し、州から州を結び、最終的にはすべての人につながる素晴らしいサポートを提供する方法でゴルファーをコースに迎え入れることを支援してきました」。

 「国内の様々な地域がそれぞれのペースで再開する中で、私たちの目標は、アマチュア競技会やジュニアプログラムを、責任を持って運営するための適切な戦術を確実に実施することです」と、世界ゴルフ財団とファーストティーのCEOのグレッグ・マクラフリン氏は述べています。「コースで働いている人も、コンペでプレーしている人も、子供をゴルフプログラムに参加させる人にも、業界が協力的で責任ある指導を受けられるようにしたいと考えています」。

 Back2Golf Operations Playbook v3.0は、業界をリードする組織によって一般的な運営の枠組みとして設計されていますが、コース所有者、経営者、ゴルフプログラムやイベントの提供者とゴルファーは、第一に州、郡、地方自治体の健康プロトコルを遵守することが推奨されます。すべての組織、施設、スタッフは、疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によって概説された消毒と社会的距離のガイドラインに引き続き従う必要があります。

※訳者注:米国ではゴルフ施設など業界サイドのガイドラインと並行してゴルファーにも社会的距離の遵守を促しています。本記事は、規制緩和に基づいてフェーズⅡに移行し、ガイダンスに従ってゴルフ施設の施設運営を行うよう促しています。各フェーズには、運営側と利用する消費者の双方が新型コロナウイルスに正しく対処することで感染を防ぐという明確な目的と手法が明示されています。
 日本のゴルファーとゴルフ関係者は、諸外国のようなロックダウンを経験しなかったことは幸運だったと言え、ゴルフは禁止されることなくプレー出来てきましたが、国や自治体の規制下にある点では大きな違いはありません。国も業種別のガイダンスを整備したと言っていますが、国民に求めている新しい生活習慣とセットで初めて機能するわけで、ゴルフについては、業界サイドのガイダンスとゴルファーが守るべきゴルフ習慣をセットで明示すべきだと思います。

 5月上旬に発表されたBack2Golfは、ゴルフを代表してイニシアチブを取るために2010年に設立された世界ゴルフ財団の一部門であるWE ARE GOLFの主要なステークホルダーによって推進されています。支援団体には、PGA of America、USGA、PGA TOUR、LPGA、Golf Course Superintendents Association of America、National Golf Course Owners Association、Club Management Association of Americaなどが含まれています。

 業界全体のBack2Golfイニシアチブは、運営を継続しているゴルフ場や最近再開したゴルフ場が、ゴルファーや従業員、地域社会のすべてのメンバーを守るために責任を持って運営されていることを確認することに主眼が置かれています。各団体は、「Back2Golfガイドライン」とそれに対応する「オペレーション・プレイブック」をそれぞれの対象者に配布し、実施と管理を行っています。

※BACK2GOLFガイドラインの訳はhttp://jgin.wp.xdomain.jp/ゴルフの出口戦略%e3%80%80bach2golf/

 業界サイドのガイドラインだけでなくゴルファーへの社会的距離の遵守を促すポスターも同時に提示しています。

東京都の例では、
東京都の新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップの外出自粛、休業要請等緩和措置の内容が以下の図で示されています。

外出自粛(ステップ1~3を通じて)

●5割程度の接触機会の低減を目指した外出自粛
●引き続き休業要請となる施設の利用自粛
●クラスター発生歴のある施設(※)の徹底した利用自粛
※接待を伴う飲食店等、
カラオケ、ライブハウス、スポーツジム
●他県への移動の自粛

事業者に対する要請

ステップ1
●50人までのイベント開催を可能
●都民の文化的・健康的な生活を維持する上で必要性が高い施設を緩和
(例)・博物館、美術館、図書館→入場制限等を設けることを前提に施設の再開
●飲食店等→営業時間の一部緩和(夜10時まで)
ステップ2
●100人までのイベント開催を可能
●クラスター発生歴がなく、3つの密が重なりにくい施設を緩和
(例)・劇場等→入場制限や座席間隔の留意を前提に施設の再開
●飲食店等→営業時間の一部緩和(夜10時まで)
ステップ3
●1,000人までのイベント開催を可能
●クラスター発生歴があるか、またはリスクの高い施設を除き、入場制限等を前提として全ての施設を再開
●飲食店等→営業時間の一部緩和(夜12時まで)

 東京都の例で分かるように、新型コロナウイルス収束までは規制は続きます。この間はこれまでの日常とは違う「新しい日常」が続くわけです。たぶん日常が変わります。ゴルフも例外ではありません。やはり当分の間、ゴルフ施設とゴルファーの双方が同じ目的意識を持つ必要があります。目的は、ゴルファーとゴルフと国民生活を守ることです。新しい生活習慣の浸透をゴルフを通じて広めることでゴルフの身体的な、メンタル面の効力と社会性を広めることだと思います。

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください