NGFの施設とコースの違い

National Golf Foundation(NGF)

2019年5月

 National Golf Foundation(NGF)は、1930年代初頭から米国内ゴルフ施設のデータベースを運用しています。
 NGFの施設数は、長年「doors=建物」、つまり、一つ以上のゴルフコースを持ちゴルフをプレーできるビジネスの場所と定義してきています。したがって、ニューヨーク州のベスページ州立公園のような施設は一つの施設としてカウントされますが、五つのユニークなゴルフコースがすべて一つのクラブハウスによって提供されています。フロリダ州のストリームソングゴルフリゾートは二つの施設としてカウントされますが、三つのゴルフコースを持ち、レッドとブルーのコースは一つのクラブハウスによって提供され、新しいブラックコースには独自のクラブハウスがあります。

 

 「施設」と「コース」という用語は、同じ意味で使用されることがありますが、まったく異なる場合があります。何年にもわたって、多くのメディアがNGFの発表するゴルフ施設総数(米国には1万4613施設)を使用していますが、実際には、9ホール以上のコースを対象に、一般的な18ホール単位で集計したゴルフコース数は、米国には1万6693のコースあります。

なぜ違いがあるのか?

 ゴルフ用品会社やアパレル会社は、販売面から対象とする施設数を調べて、できるだけ多くのプロショップやクラブハウスに参入しようとしますが、ゴルフツーリズムビジネスや一般の人々は、一般的にはプレーするコースに関心を示します。
 NGFの18ホール換算コース数(18-HEQ)は、18ホールを単位にした供給量の尺度です。例えば、一つの18ホールのゴルフコースは一つの18ホールであり、二つの9ホールゴルフコースも一つの18ホール相当のコースとみなします。芝産業とコースメンテナンス会社といったカテゴリーのビジネスは、多くの場合、この指標に注目します。
 27ホールのゴルフ施設は、さまざまな測定が可能です。単一の施設ですが、三つの別個の9ホールのコースであり、18-HEQで1.5と見なされます。これは、NGFの開場・閉鎖データベースに「ハーフコース」の区分がある理由です。施設によっては、最初に9ホールを建設した後に新たに9ホールを追加する場合があり、18ホールから9ホールに規模を縮小するケースがあるためです。
 NGFは当初、ゴルフゲーム内の事業所数のみに焦点を合わせて、当初は施設のみを集計していました。ところが、業界内のさまざまな利害関係者にとっては、異なった測定値を必要とするため、これらの違いを明確にし、透明性を待たせるため、NGFは最新のゴルフ施設でこれらの違いを少し強調しています。

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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