米国ゴルフ財団(NGF,National Golf Foundation)
2019年5月掲載

2018年の天候はゴルフプレーにとって決して好ましいものではなく、全国的なラウンド数は延年を4.8%下回った

過去5年間は約4億6,000ラウンドで横ばいで推移した利用者数だったが、2018年に米国の総ラウンド数は4億3400に落ち込み、12カ月のうち11カ月で前年同期比割れとなった。全国各地のゴルフコース事業者が悪天候の影響を嘆き、また多くの企業は、気温の低下によりゴルフのショルダーシーズンが短くなり、そして最も忙しい月の降水量が多かった影響だ。

米国海洋大気庁(NOAA)は、2018年が観測開始をした1895年以降、米国大陸で3番目に降雨量が多かった年であったと発表している。

Climate Centralの分析では、2018年は全米約2,800の市町村の約25%で過去10年で最も雨の多い記録年であり、そのほとんどが北東部および五大湖周辺に集中していたと報告している。これはゴルフマーケティングの観点からは特に注目される。なぜなら、これらの地域ではゴルフ施設のクラスタ化(小規模化)の動きがあるからだ。

4月は通常、多くの地域でゴルフシーズンが始まりを意味し、特定の地域では異常に寒い気温がシーズンの始まりを遅らせたため、4月の全国ラウンド数は前年同期比で13.5%もの減少となった。夏シーズンの終わりが早まったが、一部の地域で秋シーズンが始まる9月は降水量が大幅に増加したため7.2%減だった。11月は、国内総ラウンド数が2013年以降で前年比最大の減少(-18.8%)となった。

通常であれば、天候などの自然現象の影響は2%から3%の間で年間変動している。


雨天中止となったthe PGA TOUR Champions Bass Pro Shops Legends of Golf. (Photo by Ryan Young/PGA TOUR)

米国最大のプライベートクラブ運営会社のクラブコープのCEO、David Pillsbury氏は、昨年の天気は非常に厳しいものだったと認めている。

「2018年は、降雨や悪天気の影響を受けた営業日が2017年より約55日多かった」と話している。「ほぼ2カ月以上の長期にわたる悪天候です。2018年は、私の30年間の経験の中で最も困難な年の一つだったと言えます」

ゴルフのような、野外でプレーされるトップの参加型スポーツ分野では、悪天候は特に深刻な影響を及ぼす。

コネチカット州オックスフォードにあるゴルフコース、オックスフォードグリーンズのスーパーインテンデント、ブライアン・バリントン氏は、次のように述べています。「私たちにとって新記録であり、降雨日は2017年よりも20日も多かった」

インディアナ州サウスベンドにあるノートルダム大学ウォーレンゴルフコースのゼネラルマネージャー、ジョン・フォスター氏は、2018年は在職17年間で最も悪天候に見舞われた年だったと語った。彼はそれを「奇妙な年」と表現したが、天気に関してはもう普通という状態がわからないとも言う。

「乾燥しすぎていなければ、過剰に湿っています。暑すぎなければ、寒すぎます。過去7年から8年の間に、天気の関しては通常のゴルフシーズンとは呼べる状態がありませんでした」と彼は話している。「この現象が地球温暖化なのかどうかはわかりませんが、私たちを取り巻く気象パターンは、通常の天気とはまったく異なるものです。予測不可能です」とも話している。 e

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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