興味深い話題が英国で注目されているようです。ようですというのは、情報が断片的(私の英語力が主因だと思いますが)、イングランドゴルフ協会の情報として、「The Independent Golfer」という単語が突然のように出てきています。

 The Independent Golferは日本でいうノンクラブメンバー、メンバークラブに所属しないゴルファーのことですが、トピックな話題となっている背景に、世界共通ハンディキャップシステム(WHC)の普及がある(ようです)。R&Aは、ゴルフをさらに普及させるために、誰でもがハンディキャップインデクス(つまりHDCPです)を持てる環境整備を世界的に進めようとしているようです。HDCPはクラブメンバーの特権ではなくて、ゴルファーの誰もが持てるHDCPにすることで、競技ゴルフへの関心を高めたいと考えているようです。

 イングランドゴルフ協会の文書の中に、The Independent Golferのままではクラブが主催する競技には参加できないという下りがあります。競技ゴルフへの関心を深めてもらって、クラブメンバーとして入会するような環境整備をしようという記述があります。イングランドに限らずクラブメンバーは年々少なくなる傾向が続いているようです。一方で、メンバーシップを持たないゴルフ人口はメンバーの2倍はいるという調査結果も出ているようです。倍するThe Independent Golferの中からメンバーとなるゴルファーを増やすためにHDCPの普及を進め、まずHDCPを使った競技への関心を喚起する対策を取ろうとしているように見えます。まるでコペルニクス的転換です。メンバーだからHDCPが持てるのではなくて、HDCPをまずとってもらって、競技ゴルフの普及を図る中でメンバーを増やし、クラブ経営を安定的なものにしたい、といっている、ようです。文面からの判断ですから、そうだろうとしか言えません。

 

参考:英国のゴルファーデータ

英国の成人人口=4900万人

英国のゴルファー数=390万人

ゴルフクラブの会員であるゴルファーの数 = 130万人

ゴルフクラブのメンバーではないゴルファーの数 = 260万人

 

 イングランドゴルフ協会は、2021年末にはThe Independent Golferが公認のHDCPを持てるようにしたい意向のようです。この話題は2019年に始まっているようです。イングランドゴルフ協会のホームページ(https://www.englandgolf.org/tag/independent-golfer/)に最近の経緯が掲載されています。

 

 ところが、ある新聞の記事によると、The Independent GolferがHDCPを取得するには費用の問題があるようです。イングランドゴルフ協会は協会が負担するような動きですが、ゴルフ保険も絡んで仕組みのようで、ちょっと錯綜した話もあるようです。HDCPの算出をするソフト会社から加盟クラブに請求書が届いて、なんでクラブが負担するの? それも、スコットランドとアイスランドと金額に差があるとワイワイガヤガヤらしい。詳しいことは分かりませんので、お知りになりたい方は確認してください。それと、ニュージーランドでは、The Independent Golferを対象にHDCPを付与する団体があって、こちらは年会費などを個人が負担しているそうです。

 さて、まずHDCP、そしてクラブメンバーにという発想はどうでしょうか?

こちらも参考に:「The Independent Golfer」 Paper for the general Meeting, September 2019 New Paper Layout – Table (windows.net)

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください