パッティンググリーンのカラー(特にクリーピングベントグラスのカラー)は、ストレスの多くかかる天候やプレーが多い時期に、最初に芝が減少するエリアの一つであることが多い

USGA中央地区アップデート情報

2021年10月01日

ポール・ジェイコブス(Paul Jacobs、USGA中央地区アグロノミスト)

 パッティンググリーンのカラーは、ストレスが多くかかる夏場に、芝が薄くなる場所の一つです。カラーの芝の減少にはいくつかの要因がありますが、多くはゴルファーやメンテナンス機器による通行(量)の集中や、植物成長調整剤(PGR)による過剰な施用が問題です。以下のヒントを参考にして、カラー部分での芝生が衰退する可能性を減らしましょう。

1.芝刈機のフロントローラーには、滑らかなものや溝のあるものを使用する。溝付きのローラーは、直立した生育を促すことができますが、機械的なダメージも大きくなります。必要に応じて軽いブラッシングを行い、横方向の成長を維持しましょう。

2.刈高を0.250-0.350(6.35~8.89㎜)インチにすると、0.400(10.16㎜)インチ以上の高さに比べてカラーの性能が向上することが多く、刈高を低くすることで、葉の密度が高くなり、耐摩耗性が向上します。刈高を低くすることは、クリーピングベントグラスのカラーに特に有効です。刈高を下げることで、PGRの過剰施用による影響も軽減されます。いくつかのコースでは、ベントグラスのカラーの刈高をパッティンググリーンの高さまで下げて、カラーをパッティンググリーンと区別せずグリーンを拡張しています。

3.ラフエリアで作業者が芝刈機をターンするための十分なスペースがないグリーンで手押しモアを使用する際には、ターニングボードの使用をお勧めします。これはクリーピングベントグラスのカラーには特に重要です。USGAグリーンセクションのビデオ「Protecting Collars with Turning Boards(ターニングボードでカラーを守る)」https://www.youtube.com/watch?v=QurgLoXQBPQ&index=33&list=PLnU5qUEfww3cOAU8iTQTUpF5S4UqhXJkaには、ターニングボードの使用に関する良いヒントがあります。重要なのは、芝刈機が芝の上ではなくボードの上で完全に回転していることを確認することです。

4.ローラーを使用する際には、パッティンググリーンの外周やカラーの上で停止したり作業を開始したりしないようにしてください。これを怠ると、すぐに擦り切れて芝が薄くなってしまいます。優れたローラー作業者は、パッティンググリーンの外周から3フィート以内に入ることなく、ゆっくりと慎重に停止・開始できるはずです。ラフの中で停止してスタートするという方法もありますが、グリーンの周りに斜面があったりバンカーがある場合はこの方法ができないこともあります。

 ここ数年、ほとんどの施設でラウンド数が増加しているため、パッティンググリーン周辺の出入り口にあるカラーにもトラフィックが発生しています。ゴルフプレーが増加することはゴルフ業界にとって確かに良いことですが、すでにメンテナンスのためのトラフィックが集中しているエリアにさらにトラフィックが増えることは、さらなる芝の衰退につながります。これらの管理戦略を実行することで、シーズンを通してより健康的なカラーターフを維持することができるはずです。

 

出典:https://www.usga.org/content/usga/home-page/course-care/green-section-record/59/18/top-collar-cures.html#

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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