2021年10月8日

ジョー・ベディッツ(Joe Beditz)

 現在のようなゴルフ需要の高まりが持続するのかどうか、という疑問が続いています。もしあなたが歴史は繰り返すと信じているなら、答えは「イエス」です。

 現在の需要状況を考えるために、過去20年間の1人当たりのゴルフ用品の卸売高※1を調べてみました。卸売高は、小売高とは異なりますが、どちらも長期間にわたって市場で購入されているものを反映しています。

 図1が示すのは、2007年から2008年にかけての世界的な金融危機以前の状態への待望の回帰であり、「新しい」正常な状態の設定ではありません。ゴルフボールのデータを調べても、同じことが言えます。これは、サプライチェーンや物流の問題から現在の売上が非常に減少しているにもかかわらずです。

 供給についてはどうでしょうか? ここでは、18ホール換算(18HEQ)※2あたりのゴルファー数を調べました。

 図2を見ると、18ホールあたりのゴルファー数は、20年前のバランスに戻りつつあるように見えます。この頃のゴルフ場は、過去10年ほどの間に比べて、全体として経済的に成功していました。

 20年前の環境と現在の環境にはどのような共通点があるのでしょうか? たくさんあります。まず、経済がある程度健全であること、そして消費者の信頼感が高いこと。また、10年来の株高と住宅価格の高騰を背景に、ゴルフの顧客層の世帯純資産も当時と同様に増加しています。

 そして、もうひとつ重要なことは、エスクァイア、アドウィーク、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの流行に左右されないメディアが、ゴルフについて好意的に報じていることです。ほんの少し前までは、ゴルフは絶望的だという見出しが躍っていました。今日、専門家たちは、タイガーの全盛期以来となるゴルフルネッサンスを絶賛しています。今回は、ゴルフに関する注目すべきポジティブな記事をいくつか集めてみました。

 多くの理由から、ゴルフはパンデミックの間、間違いなく恩恵を受けています。しかし、需要を喚起したのはパンデミックだけではありません。この風が今後も続くことを願ってやみません。

Joe

※1 ゴルファー1,000人あたりのユニット数

※2 18ホール換算(18HEQ):ゴルフコースの総ホール数を18で割ったもの

ジョセフ・F・ベディッツ(Joe Beditz Ph.D.)

米国ゴルフ財団(NGF)社長兼最高経営責任者

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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