パンデミックの中でのゴルフをめぐる議論は続く
米国ゴルフ財団(NGF)
2020年4月
アリゾナ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州などの州の知事は、コロナウイルスのパンデミック拡散を遅らせるために、必要のないすべてのビジネスを停止する執行命令を出したにもかかわらず、ゴルフプレーは許可される活動として具体的に特定しています。
一方、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、ミシガン州のように、緊急命令の下ではゴルフ事業は継続できないと規定しているケースもあります。
パンデミックの間、ゴルフはすべきかすべきでないか、それが問題だ。
この議論は、ゴルフは社会的な距離の維持に役立つという事実や、肉体的にも精神的にも多くの恩恵を受けられるという点であらゆる年齢層の人々に広く受け入れられているという事実、そしてコースは通常、平均約150エーカーの広大な敷地に限られた参加者しかいないという事実よりも、次元の違うニュアンスの議論になっています。ゴルフにはこうした有効性を持っており、それ以上のものがあります。
しかし、視覚的な問題もあり、この前例のない事態に、「必要な」ビジネスや活動として、その中でのゴルフがどう位置づけられるのか、どの程度の範囲がカバーできるのかという疑問もあります。州によって規制内容に大きな違いがあることが多く、単純な区分でみれば、ゴルフのプレーは、ジム、カジノ、ショッピングモール、映画館、ネイルサロン、マッサージ店などのレクリエーションや個人的なケアを目的としたものに含まれている場合やウォーキング、サイクリング、ハンティング、釣り、ランニングなどの健康的なアウトドア活動に含まれていたりしています。
自治体の政策立案者が、郡や州の住民の健康を守るための事業停止の一方的な決定を余儀なくされる場合に、国民の支持を優先することになり、人口の90%以上がゴルフをプレーしないという事実からは、慎重な選択をしても不思議ではありません。
賛否両論ある問題
ゴルファーの間では、この問題について大きく二つに意見が分かれており、少なくとも当分の間はプレーすべきではないと強く主張する人もいます。また、社会的な距離を維持できる理想的な活動であり、ほとんどの地域では社会的な孤立を求められていないと断固としてプレーを主張する人もいます。
NGFがコアゴルファー(年間8ラウンド以上プレーする人)を対象に行った調査では、政府の規制に関する年齢層の間で意見が分かれていることが明らかになりました。若年層(18~34歳)では、67%がゴルフを禁止する規制を支持しないと答え、26%が支持しています。65歳以上では、55%がゴルフの制限を支持し、30%が反対しています。高齢のゴルファーは平均して、若いゴルファーよりもプレー頻度が高いのですが、COVID-19に感染するリスクが高い層でもあることに注意する必要があります。
ゴルフが特権的なものであるという認識や誤解は、特に危機的状況にあるときに政府の決定に関連している場合、障害になることもあります。それは、カリフォルニア州が最初に自宅待機命令が課されたときに明らかになりました。当初、ゴルフは許可され、全米で2番目に多い公営ゴルフ場規模であるなど、人々が屋外で活動するための手段として奨励されていました。ロサンゼルス郡でもそうであるように、アメリカで最も人口の多い州では、企業やその他のレクリエーション活動の規制が行われている中で、ゴルフ場も世論とは無関係に営業を続けることはできず、特に人口密度の高い都市部では、政策決定者は医療制度の崩壊を防ぐことに重点を置いていることから、ゴルフも例外ではなく、公園、遊び場、ビーチ、ハイキングコースも閉鎖されました。
カリフォルニア州は州内でのゴルフ禁止はありませんが、現在はごく一部の地域でしかプレーできません。
ペンシルバニア州とニュージャージー州は、ゴルフ禁止を最初に制定した州の一つで、ミシガン州、マサチューセッツ州、メリーランド州、ウィスコンシン州、ワシントン州などの州もそれに続きました。ウィスコンシン州は4月16日にその方針を逆転させ、ゴルフカートの使用禁止などの安全上の制約を設けることで、4月24日からコースを再開することができるとしました。
それでも、米国北東部の大部分と五大湖周辺の中西部の一部では一時的にゴルフを規制し、「不必要なビジネス」と分類している間は、ゴルフは国内の他の地域で非常に目立って存在感を見せていました。
ゴルフはどこにでもある
米国のゴルフは、主要な都市部とその周辺に定着しており、ゴルフゲームは、人口が密集する地域から遠く離れた農村部など、都市部以外の場所にも数多くに存在しています。米国の多くの地域では、ゴルフは、ゴルファーだけでなく施設の従業員の安全のために修正された運営手順と幅広い安全策の実施で安全にプレーできることが実証されています。これらの慣行は、州ごと、地域ごとに異なる場合があります。
この期間、特にゴルフは、米国南東部全域で広くプレーされており、アリゾナ州やオレゴン州のようなゴルフが盛んな西部の州でもプレーされており、これらの州では80%以上のコースがプレー可能な状態が続いています。
米国全体で見ても、半数近くのゴルフ施設がオープンしています。またこれは、ほぼ半分のゴルフ施設が、選択または政府の命令によってかに関わらず、コロナウイルスの影響のために閉鎖されているということです。
このような矛盾する状況は、米国で年間840億ドル以上の経済効果を持つゴルフ産業について様々な議論の的となる可能性があります。
制限がある場所でも、ゴルフはプレーされています。
ニューヨーク市はコロナウイルスの発症と死亡者の震源地であり、現在ゴルフを含む広範な州全体でのシャットダウンが行われています。しかし、最新の情報では、いかなる種類の集まりがなく、適切な社会的距離を置いていることを条件に、州のプライベートクラブの会員がゴルフ敷地内を訪れゴルフをプレーすることを許可しています。また、ニューヨーク市のいくつかの公共施設も同様な内容で営業を継続しています。
手続きと手順
ゴルフは、プレーヤーと管理者が適切に行動を修正すれば、多くのエリアでプレーできることは当然のことのように思われます。しかし、政策決定者が直面している現実問題は、すべてのゴルファーとゴルフ場の従業員がこれらの新しい安全手順を遵守できるかどうかということです。
ウィルスに焦点を当てた安全手順の詳細については、ここをクリックしてください。
コネチカット州は、州全体でゴルフの運営を禁止していない北東部の数少ない州の一つですが、以前はプレーが許可されていた地域であっても、地域での制限があります。ノーガタックでは、住民がソーシャル・ディスタンス・ガイドラインに従わないゴルファーの動画をソーシャルメディアに投稿したことでその後、市長が地元のコースを閉鎖しました。メリダンでは、市営のハンターゴルフコースが、ラウンド後に駐車場に集まったゴルファーの大群が、プレーヤーと従業員を危険にさらしたため、市によって閉鎖されました。
米国で最も多くのゴルフコースがあり、「世界のゴルフの首都」を名乗るナンバープレートを持つフロリダでは、開場と閉鎖は郡によって異なります。例えば、マーティン郡では、パブリックコースは郡の住民だけがプレーできます。ゴルフコースが閉鎖されている隣接するパームビーチ郡に住んでいる人は“運”がない。
ゴルフ場が閉鎖されている隣接のパームビーチ郡の住人は、マーティン群にあるプライベートクラブの会員権を持ってない限り、運が悪いとしか言いようがありません。社会的距離を維持できる屋外活動としてのゴルフの人気を考えると、多くの州で事業が徐々に再開される中で、安全で魅力的な選択肢になることは間違いないでしょう。
アリゾナ州からキャロライナ州までの他の州では、通常通り継続できるビジネスではありませんが、ゴルフは続けられています。
要不要の議論が行われている中で、ゴルフについてもプレーするかしないかという議論が続いています。
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