USGA西部地区アップデート
2021年10月01日
ブライアン・ウィットラーク(Brian Whitlark、西地域上級コンサルティング農学者)
2020年から2021年の冬季間、レイク・タホ地域(カリフォルニア州とネバダ州の境界に位置)にある多くのゴルフコースでは、日照時間が少ないエリアを中心に、氷結により芝の減少や消失が見られました。この時の反省を踏まえて、スーパーインテンデント(コース管理者)たちは、今後同じような被害を避けるための対策を考えていますが、その中でも樹木の除去は最重要課題です。
パッティンググリーン周囲やその他の主なプレーエリアから80〜100フィート(24~30m)以内にある木を取り除くことは、根の芝との競合を減らし、日光の透過性を高めるのに効果がありますが、これまでの経験からは、その半径を超えた「窓」の部分や「廊下」に当たるような場所にある木を取り除くことが最も効果的であり、芝はより多くの日光を浴びることができます。そのためには、5本、10本、場合によっては40本以上の木を取り除く必要があります。上の画像では、このグリーンの南東と南に位置する二つのプレー上の戦略性を高める廊下部分で、いかに多くの木が取り除かれたかを見ることができます。このケースでは、太陽の角度が比較的低い晩秋、冬、春先の午前9時から午後2時までの間、日照時間が2時間半から3時間延長されました。幸いなことに、この作業は今年の冬に芝生表面を氷で覆われる前に完了され、このグリーンはこれまでよりもはるかに良い状態を維持することができました。
樹木の除去作業を計画する際には、戦略性の高いエリアで日光の「窓」を開けることに重点を置きます。一般的には、主なプレーエリアの南東と南にある木のグループを取り除くことになります。樹木の除去は論争の的になることがありますが、USGAの農学者はそのような微妙な状況を乗り越えるお手伝いをします。
参考:樹木管理計画の作成(Developing a Tree Management Plan)https://www.usga.org/content/usga/home-page/course-care/green-section-record/59/18/developing-a-tree-management-plan.html