社会生活基本調査で集計されているゴルフ人口はゴルフ練習場を含む人口です。人口分析をする場合、この人口をゴルフコースと練習場に分けて推計したいわけです。社会生活基本調査のロー(生)データを入手しても、元々練習場を含めたデータですから、分からないというのが答えです。仮にローデータを手に入れても18万人のデータは、私のパソコンには荷が重い。

 敢えて推計するとすれば、スポーツ庁の「スポーツの実施状況等に関する世論調査」は全サンプル数が2万人で、ゴルフコースと練習場別の集計がされていて、サンプル数も十分(3%誤差で95%の信頼度を満たす)なデータ数を確保できていることから、このデータから推計してもある程度の確率で推計できるはずです。スポーツ庁のローデータは1次データですからコースと練習場の両方もしくはどちらかでプレーした人数も集計できますから、社会生活基本調査の人口を、コースと練習場別の、たぶんこのくらいの人口であろうという数字を算出しました。違う調査結果からの推計ですから、「多分そのくらいだろうな」という程度で理解してください。

●スポーツ庁のデータから、多分そうであろう「ゴルフコース人口」と「ゴルフ練習場人口」に分解する

 スポーツ庁のデータから、ゴルフコースとゴルフ練習場のどちらかを利用した集計人数をORとして表示してあります。これは社会生活基本調査の練習場を含めた人数です。このORの数を母数(ゴルフ人口)として、それぞれのゴルフ人口に対する比率を算出すると表右側の率になります。調査年によりこの比率にバラツキがありますから4年間の平均値を求めました。概ねこの比率程度と考えられます。この方法で、社会生活基本調査のゴルフ人口を無理やり分解すると、全体に占めるゴルフコース人口は84.5%、練習場は74.2%と推計されます。

 スポーツ庁のデータから推計されるゴルフ人口は、練習場を含むスポーツ庁のデータで表示したORの数字ですから、この数字に対する上表の比率から社会生活基本調査のゴルフ人口をゴルフコースと練習場人口に分解すると、以下の表に示したようにゴルフコース人口は650万人くらい、ゴルフ練習場は570万人くらいと推計されます。ANDは両方でプレーした人口です。あくまでも目安ですが、たぶんこのくらいでしょう。

 こんな無理やりの処理ができるのはスポーツ庁からローデータが提供されているからです。スポーツ庁のローデータは1次データといわれるものです。集計したママの手を加えていないデータです。スポーツ庁の報告書にある表やグラフが処理された2次データです。社会生活基本調査のデータも集計された結果の2次データです。処理済みのデータですから、それ以上の分析はできません。で、無理やり分析をしようとなると、他からのデータを参考に手を加えて、無理やり答えらしき数字を出すことになります。だから、結果は「たぶん」そうじゃないかな、という分析結果ということになります。当たらずとも遠からずだと思います。これはアンケートの設計の問題ですから、今後もこうした分析というか解析しか方法はありません。できれば、できればですが、業界団体が共同してもっと調査項目を増やした市場調査を行ってくれれば、ゴルファーが、コースのメンバーが何を望んでいるかをもう少しはっきりとした、誰もが分かる数値で知ることができるようになります。現在から近未来を創造できるツールとして使える調査にできるかどうかは、意図を具体化できるかどうかの実施者の取組みの問題だと思います。

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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