フォア ザ ゴルファー
芝刈機は、なぜあなたのラウンドコースについてくるのか？
2020年08月07日
ブライアン・ウィットラーク（Brian Whitlark 、USGA西地区農学者）
ゴルフは、プレー中にフィールドのメンテナンスが行われる唯一のスポーツです。そのため、ラウンド中にメンテナンススタッフ、特にフェアウェイやラフの芝刈機を目にすることが多いはずです。芝刈機がコース上のあなたを追いかけているように感じるかもしれませんが、実際にはプレーの邪魔にならないように最善を尽くしています。ゴルフコースでなぜ芝刈機に遭遇するのか、そしてなぜ芝刈機がそこにいることを喜ぶべきなのかを理解していただくために、ちょっとしたバックグラウンド情報をご紹介します。
ゴルフ場のグリーンキーパーとそのチームは、魅力的なコースコンディションと良好なプレーアビリティーを作り、維持するために日々努力しています。そのためには、定期的な芝の刈込みが必要です。生育期には、グリーンは週に5～7日、フェアウェイは週に2～4回、ラフは週に1～2回刈り込まれます。グリーンの刈込みはプレー前に行うのが一般的ですが、プレー前に25～50エーカーのフェアウェイの刈込みを終えられないことが多いです。また、早朝の芝が濡れている時にフェアウェイを刈るとき、クリッピングの残カスが多く出てきます。午後の乾いている芝は刈ると表面がきれいになり、カットの質も良くなります。
コースが週に2～4回フェアウェイの刈込みを行い、ラフの刈込みを週に1～2回行っている場合、月曜から金曜のプレーであれば、フェアウェイまたはラフの芝刈機が稼働しているのを目にする可能性が高いでしょう。午後になると、1～2ホール以上空けてプレーするプレーヤーの集団に遭遇しないように、作業を行うことが多くなります。お客様がショットを打っている間に刈り込み作業が止まることがありますが、頻繁な始動・停止を避けるためと、アイドリングは機械の冷却に役立つため、芝刈機の電源を切らないことが多いようです。あなたのラウンドへの影響を最小限に抑えるために最善を尽くしていますが、近くに芝刈機がある場合は、芝刈り機が動いているのが見えたり聞こえたりすることがありますので、芝刈機があなたの邪魔にならないように移動する間、しばらく待っていただく必要があるかもしれません。
グリーンキーパーは、プレー中の刈込み作業は非常に効率が悪いので、プレーの前にフェアウェイとラフの刈込み作業を完了させたいと考えています。しかし残念ながら、フェアウェイの刈り込み作業は3～4台で3～4時間の時間が必要となります。ラフ刈りはもっと時間がかかることが多くなります。多くのコースでは、バンカーのレーキング、ホールチェンジ、ティーマーカーの設置、グリーンの刈り込みなどの朝のセットアップ作業と、フェアウェイやラフの刈り込み作業を同時に行うのに十分なスタッフや刈込み機械を持っていないのが現状です。
コース上で草刈り作業に遭遇した場合のヒントをいくつかご紹介します
・ちょっと休憩しましょう。メンテナンススタッフは、あなたが楽しめるように質の高いプレーコンディションを提供するために一生懸命働いていることを認識してください。
・ご理解ください。ほとんどのゴルフコースでは、プレー前にフェアウェイやラフの草刈りを完了させるためのスタッフや設備を持っていません。そのため、プレー中にゴルフコースで芝刈機を見かける可能性が高くなります。
・必ず視認できているか確認してください。芝刈機の作業音は大きく、オペレーターの多くは耳の保護具をつけています。あなたが”フォア”と叫んでも聞こえない可能性が高いです。オペレーターがあなたの姿を見ていることを確認し、あなたがボールを打つ前に芝刈機を移動する機会を与えてください。
・フェアウェイやラフを刈っている人に出会ったら挨拶をしましょう。コーヒーショップやレストランでお世話になっている人に手を振ったり、お礼を言ったりするのと同じように、親しみを持って手を振ったり、彼らのハードワークに感謝の気持ちを伝えましょう。あなたのコースの手入れをしてくれている人たちは、きっと感謝してくれるはずです。次にラウンド中に芝刈機が動いているのを見つけたら、彼らはプレー前には完了できない重要な仕事をしていることをご理解ください。安全を確認して、感謝の気持ちを伝えて、楽しくラウンドしてください。
出典：https://www.usga.org/content/usga/home-page/course-care/green-section-record/58/15/why-do-mowers-follow-me-around-the-course-.html