FORE THE GOLFER
2022年05月06日
USGA西地区シニアコンサルタント農学者 Brian Whitlark

 

カートの規制は煩わしいものですが、正当な理由があっての規制なんです

 ゴルフカートは、ゴルフバッグを積んだり、飲み物を入れたり、GPSを搭載して距離を表示したりと、かなり便利なものです。ゴルフカートは、歩くのが困難なプレーヤーを補助し、ゴルフ場にとっては貴重な収入源でもあります。しかし、ゴルフ場では、運転するタイミングを誤ると、大きなダメージを発生することもあります。そのため、時にはカートの通行が制限されることもあり、ゴルファーの不満の種となっています。カートの一時的な使用制限は、ゴルファーにとって大きな不満となります。

 では、なぜカートがカート道路を通れないことがあるのでしょうか? 多くの場合、その原因は天候にあります。気象条件が暑すぎたり寒すぎたり、雨天や乾燥しすぎたりすると、カートの通行が制限されることがあります。雨天の場合、車両の通行によって土壌が圧縮される可能性が非常に高くなります。圧縮された土壌では健康な芝生が育たず、その問題は長期化し、修復が困難になります。湿った場所をカートが走ると、深い轍ができ、その修復は困難です。また、濡れた芝生の上でカートが横滑りすることもあり、コースにダメージを与え、ゴルファーにとっても危険な状態となります。

 非常に乾燥した芝生の上でカートを運転することも、実は非常に大きなダメージを発生することに繋がります。極度に乾燥した芝は正常に生育できないため、ゴルフカートやメンテナンス用車両の通行に耐えることができません。乾燥がひどくなると芝はすぐに傷んでしまい、乾燥がひどい場所をカートが走ると、タイヤの跡が残ってしまうこともあります。水分が戻ればこのダメージはすぐに回復することもありますが、大規模な修理が必要になる場合もあります。

 気温が低く、芝生の成長が遅い場合、ゴルフカートは芝生を傷めることになります。寒い時期にゴルフが行われる地域では、毎年長期間にわたってコースの利用が制限されることも珍しくありません。また、猛暑になると、芝生の成長が止まってしまい、傷みやすくなります。猛暑によるプレー規制は、少し涼しくなるまでの比較的短い期間であることが多いようです。

 またオーバーシードや芝生の刈り込み、広範囲に発生した損傷箇所の修復を行う場合にも、カート規制が必要になることがあります。新しく植えた種子や芝は、しっかりと根を張らなければ、どんな状況での通行もできません。通常、新しく植えられた芝生では、まず歩行者が許可され、その後、カートの利用が許可されます。この制限がいつまで続くかは、コースの状況によって異なりますが、実際にカートに乗れる状態になる前には芝生はカートが乗れる状態に回復していることは知っておいてください。

 ゴルファーとして、特に異常気象の時やその後にカートが制限されることがあることを覚悟しておく必要があります。これらの一時的な制限はイライラするかもしれませんが、ゴルフコースを保護するために必要な対処策です。短期的な不便さは、ウォーキングをする良い“口実”になりますし、あなたの忍耐力は、すべての人が楽しめるようにコースを良好な状態に保つのに役立ちます。

出典:Why Is It Cart Path Only? (usga.org)

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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