2020年07月03日
エリオット・ダウリング(Elliott Dowling)、北東部地域農学者
コース管理者管理人(Superintendent、グリーンキーパー)が乾燥時に灌水を怠ると、芝の健康への悪影響がすぐに顕著に現れます。
ゴルファーであれば、乾燥時期に芝生が驚くほど濡れたように見えるゴルフコースを経験したことがあるでしょう。ほとんどのプレーヤーは、芝生が乾いている状態にある時のいつもより弾むボースのバウンドと転がりを高く評価し、フェアウェイに濡れたスポットがあったり、数週間雨が降っていないにもかかわらず、リーンの周りから打ったあなたのボールが予想したような動きを見せない時、プレーイメージが混乱することを覚えるはずでます。なぜこのような状況になるのでしょうか?
すべての芝生には、植物の健康を維持するために必要な最低限必要な水分量があります。乾燥期間に散水される水分は芝草が正常に機能し続けることを保障し、乾燥ストレスから休眠を防ぎます。夏の間に乾燥状態が起こりやすい地域のゴルフコースを訪問する農学者として私は、ゴルファーが乾いた天候の間になぜフェアウェイやグリーンが濡れているのかと不思議に思う声を時々耳にします。雨が降らなければ、ゴルフコースは乾いていて固いというのが普通です。
この状況は、夏の暑さの中での乾燥期間と、乾燥ストレスが長引いた場合の影響を考慮することが重要です。芝草がストレスを受けると、正常な成長機能を停止し始め、最終的には芝自身が保護手段として休眠状態に入ります。
芝生がエネルギーを節約して休眠状態に入ると、成長速度が遅くなるため、ゴルファーの歩行のような付加的なストレスから回復することができなくなります。そのため、植物の健康を維持するために、慎重な散水を行わなければなりません。乾燥の深刻さによっては、コースに比較的大量の水を与えることになります。この時の散水は、植物の健康を維持するためのものであり、プレーのしやすさを改善するためのものではありません。
また、灌漑システムの老朽化と効率の低下が、プレー条件にどのように影響するかについて理解しておくことも重要です。新しいシステムは、必要な場所に正確な量の水を与えることができます。一方、システムが古くて効率が悪い場合は、植物の健康を最適化するために必要な量を超えた量の水が散水されている可能性があります。これはしばしば水たまりや過度に湿った場所が発生することにつながり、最終的にはプレーコンディションに顕著な影響を与えます。
どう感じるかはわかりませんが、私たちが愛するゲーム(ゴルフ)をプレーする者として、乾燥時にゴルフコースが予想以上に湿っていたり、柔らかくなっていたりするのは、それなりの理由がある可能性があるということを理解しておきたいと思います。干ばつ時の水は、雨不足を補うためのものです。
乾燥は最終的には収まり、それはいつものように収まり、通常の天候パターンに戻ります。グリーンキーパーが乾燥時に植物の健康を維持するために水をやることは、最もストレスのかかる天候が去った後に、ゴルフコースが期待する状態に戻るようにするためです。