2019年10月04日

ジョージ・ウォーターズ、USGAグリーンセクション教育担当マネージャー(George Waters, manager, Green Section Education)

 樹木はゴルフ場におおくたくさんのメリットをもたらしますが、同時に潜在的なプレイアビリティとメンテナンスの問題も抱えています。

 樹木はゴルフコースと複雑な関係にあります。樹木は、ゴルフコースの特徴を明確にし、動物の生息地を提供し、空気の質を向上させ、望ましくない景色を遮蔽します。しかし、葉が落ち始めると、樹木管理にもコストがかかることを思い知らされます。適切な場所に適切な樹木を配置することで、そのメリットを最大限に引き出し、ネガティブな要素を最小限に抑えることができます。ここでは、すべてのゴルファーがゴルフコースの樹木について知っておくべき五つのことをご紹介します。

1. 樹木は成長する

 ゴルフ場の意思決定者は、樹木の成長の程度と速度を過小評価していることが多いようです。ラフの中では無害に見える樹木が、人々が思っているよりも早くプレーラインを瀬切るように埋め尽くしてしまうことがあります。樹木の配置が悪いと、ゴルファーやグリーンキーパーに問題が生じさせ、時間が経てば経つほど状況は悪化していきます。このような問題を避ける最善の方法は、植える前に将来の木の大きさを考慮に入れることです。木がすでにプレーラインに近すぎる場合は、選択肢が限られていることから木を取り除くことが最善の解決策となります。

 樹木の大きさを考慮して植樹しないと、長期的な問題が発生します。

2. 芝生には太陽が必要

 樹木と芝が日光を奪い合えば、樹木が勝利します。日陰は芝の成長を阻害し、適切な乾燥状態の維持を難しくし、プレー環境を悪化させます。また、日陰は霜が降りる時期を遅らせ、芝を冬の傷みやすい状態にしてしまいます。樹木を剪定して光と空気を通すようにし、主要な競技場の日照を遮る樹木を除去することで、プレーコンディションを改善し、メンテナンスコストを削減することができます。

 プレー表面に日陰を作る樹木の剪定や除去は、コースコンディションを改善し、メンテナンスコストを削減することができます。

3. 清掃には費用がかかる

 特定の樹木は、かなりの量の葉、枝、実、樹皮および他の残骸を落とします。これらの樹木がグリーンの近くにある場合、グリーンの刈り込みなどのプレーの準備作業を始める前に、毎日の清掃が要求される可能性があります。また、コースによっては、紅葉やゴミの清掃に毎年数万ドルを費やしているところもあります。

 葉、枝、実、樹皮を落とすグリーン周り木々は、コストがかかり、時間のかかる清掃作業につながります。(USGA/Steven Gibbons)

4. 問題な「根の張り出し」

 樹木の広大な根系は、しばしば樹冠を越えて広がっています。樹木の根は水と栄養分を求めて芝と競合するため、樹木の幹の周囲には乾燥して葉色の薄い芝がよく見られるのはそのためです。さらに、木の周りに根が張り巡らされていると、芝刈機やカートパスを損害し、プレー環境を悪くする可能性があります。グリーンキーパーは、専用の機器を使用して樹木の根を剪定することで、樹木を傷つけることなくこれらの問題を管理することができます。

 樹木の根が地表面で旺盛に生育すると、ゴルファー、グリーンキーパー、カートパスに問題が生じる可能性があります。

5. 私たちはプレーするためのスペースを必要としています

 樹木がプレーラインを圧迫するため、ゴルフコースは平均的なゴルファーにとってはプレーしにくい状況になりがちです。そのため、プレーのペースが遅くなり、ゴルフの楽しさが失われてしまいます。樹木とプレー導線や樹木と樹木の間に十分なスペースを確保できたコースは、プレーのしやすさを向上させ、コース上の樹木の質をも高めることができます。

 樹木やその他のコース管理に関する重要なトピックについての詳細は、USGA.orgのコースケアのセクションをご覧ください。

出典:https://www.usga.org/course-care/green-section-record/57/19/five-things-every-golfer-should-know-about-trees-on-the-course.html

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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