米国の市場戦略が読み取れる記事です。
日本は漠然とゴルファーを捉えていますが、例えばNGF(National Golf Foundation)で発表しているゴルフ人口はOn CourseとOff Courseに明確に分けています。日本でもレジャー白書はゴルフコース、ゴルフ練習場のそれぞれの人口が示されていますが、合計すれば日本のゴルフ人口とはなりません。ゴルフ市場全体を捉えようとするとき、これでは市場全体を捉えられません。

NGFのようにOn course と Off Course の区別をつける必要があると思います。ゴルフという商品の最終消費地はゴルフ場です。ゴルフ練習場でまだコースデビューしていない人口がゴルフ場にとっての潜在需要量です。この把握は主にゴルフ場、主に練習場でゴルフをしている人口比が把握できればいいのです。そうすれば、日本の総ゴルフ人口が把握できて、On/Offの人口構造が分かることになります。NGFがOff Courseのゴルファー(人口)に注目しているのは、Off CourseのゴルファーをOn Courseに誘導するためです。ここら辺のロジックをしっかりと持つ必要があると思います。On Course予備軍がどれだけいて(定量的に)数値目標を設定して、どのようにすれば(定性的)実現できるかを考える。そのためには練習場人口をどれくらい増やす必要があるかということになると思います。これは一貫性を持ったゴルフ市場活性化プログラムであるはずです。

NGFが2019産業レポートでOff Courseの施設としてTopgolfとシミュレーションゴルフともう一つDrive Shachという施設を取り上げています。彼らがOff Courseのゴルファーに注目しているのは、ゴルフ潜在需要 ⇒ Off courseで顕在化 ⇒ On Courseという当たり前のプロセスを実行しようとしているからでしょう。足り前のことを確実に進める。ゴルフでもいろいろな現象を見ていて思いますが、米国のマーケッティング手法はこれだと思います。日本は、対処療法的というか場当たり的に企画やイベントはたくさん行われていますが、活動に一貫性に欠けるのはこのためのような気が私はします。

NGFGolfIndustryReport2019s

Golf  Industry Reportは有料ですが、紹介したNGFの記事は以下で読めます。ぜひともご一読を。

https://www.thengfq.com/2019/04/ngf-releases-2019-golf-industry-report/

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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