Golf Innovation Symposium Showcases Industry Opportunities
APRIL 3, 2019 By David Shefter, USGA
ゴルフイノベーションシンポジウムは産業の好機を提示
2019年4月3日
USGA David Shefter

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CAP1:産業のリーダーたちは先月東京に集まり、知識を共有するとともにゴルフゲームへの参加を増やすための解決策を模索しました。(USGA)
2019年3月12、13日の両日、USGA主催の第5回USGAゴルフイノベーションシンポジウムが開催され、その記事がUSGAのホームページに掲載されました。その内容を紹介します。シンポジウムは、ゴルフ先進国である米国、英国そして日本で起きているマーケットの変化をイノベーションの好機と捉えようという提案だったと思います。内容は、ゴルフマーケットにとってイノベーションとは何かという問いかけです。これが今、ゴルフ業界に突き付けられているテーマです。コース管理など管理技術のイノベーション、革新は理解しやすいテーマですが、記事の前半はゴルフプレーに求められる要素が変化しているという内容で、ゴルフマーケットの持続可能な発展はココがポイントです。そしてタイトルにIndustryとあるように産業という視点が重要です。[喜田任紀]
多くの活動と同様に、ゴルフへの参加を促し促進する人々は、特に時間と費用が消費者の間で高い優先事項である時代にあって、常に参加を増やす方法を模索しています。
USGAを含む産業をリードするゴルフ組織にとって、会議はゴルフへの参加を増やすという目的を達成するための方策を見つけることに集中しました。
シスコ(Cisco)が企画し、東京で開催した第5回ゴルフイノベーションシンポジウムでは、これらの対策をさらに強化すると同時に、調査と測定基準を通じていくつかの解決策を紹介しました。
解決策の一つはシミュレータとショートコース(距離とホール数の両方)の持つ可能性であり、ゴルフをより広く捉え、新人の参入を歓迎する方法です。Topgolfは、すべての技術レベルのプレーヤーが指定されたターゲットにゴルフボールを打つ家族向け施設で、伝統的でない状況ですがゴルフゲームを紹介する方法であることが証明されています。
どうしてでしょう? 今日の消費者は、10年前、また半世紀前の消費者とは大きく異なるためです。
Twitterの280文字以下で定義されることが多い現代では、10フィートのパットに集中できず、ゲームは遅すぎると感じることがあります。18ホールをラウンドするのに4時間以上かかることを考えると、非伝統主義者の興味は薄れることがあります。
このことは多くのスポーツに当てはまり、スピードアップするための努力がされている理由です。
ゴルフが最近どのように進化してきたかを振り返ってください。メジャートーナメントでは18ホールのプレーオフは姿を消し、2019年にはゴルフの最も神聖な法律であるルールさえも、ゲームを単純化するために大きな見直しが行われました。
こうした背景から、何人かのゴルフの影響力のある人たちがこれまでと違うプレースタイルを提案しています。
ジャックニクラウスは、6ホールゴルフを提唱し、USGAはPlay9構想を推進しています。
フランスゴルフ協会は、過去11年間でショートコースを100場建設しました。快適な雰囲気と素晴らしい価値を提供することで、これらの施設では10年間で8万人以上の「認定」ゴルファーを産み出し、そのうち1万7000人以上が新しいゴルファーでした。
米国の多くのゴルフコースでは、青少年、家族、初心者が気軽にゴルフゲームを楽しむためにショートコースを付属しています。ほとんどがpar3コースで、数本のクラブしか必要とせず、プレーする時間は従来のコースよりはるかに短くなります。そしてほとんどのコースが9ホールです。
パク・セリが1998年の米国女子オープンで優勝して以来、ゴルフの人気が急上昇している大韓民国では、シミュレータはゲームで最も急成長している分野の一つになりました。民間のゴルフ場でプレーするには多額の費用がかかるため、ゴルフに夢中な多くの意欲的なプレーヤーは、ゴルフゲームを楽しむためにシミュレータに目を向けました。韓国に5700以上のシミュレータを設置したGOLFZONによると、「スクリーンゴルフ」参加者の80%近くが芝生のゴルフコースでゴルフをしています。
シミュレータを使えば、誰でもが短期間で素晴らしいコースをプレーすることができます。

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CAP2:ローレン・ジョンソンは、東京で開催された第5回ゴルフイノベーションシンポジウムのUSGAのリサーチ、科学、イノベーション部門を代表して発表しました。(USGA)
ゴルフコースで、直面する最大の問題はプレーペースです。スロープレーによってラウンドが滞った場合、楽しさの要素は減少します。データによると、プレーペースに関しては、レクリエーションゴルファーにとって最大の関心事は、ラウンド中に待たなくてよいということです。エリートゴルファーに同じ質問をすると、一貫したペースは最優先事項でした。
ニュージャージー州スプリングフィールドのバルタスロールゴルフクラブで開催された2018年米国ジュニアアマチュア選手権では、USGAはプレーペースを向上させるためにスタート間隔を11分から12分に増やしました。この結果、ラウンドは20分近く改善されました。
アメリカのジュニアアマチュアのディレクター、グレッグサンフィリッポは、次のように述べています。「私たちは委員会から圧倒的で前向きな意見を頂き、プレーヤーはゴルフコースで最小限の待ち時間を経験しました」。結論として、グループの間隔を広げると、混雑が緩和され、流動性が向上します。
運営費および維持管理もゴルフ場にとって重要な問題であり続けています。最近のいくつかの技術革新が、この分野の予算削減役立っています。
2020年の東京オリンピックのゴルフ大会を主催する霞ヶ関カントリー倶楽部は、USGAのリソース管理ツールから得られたデータを生成するGPSロガーを使用し、メンテナンスコストを削減しながらより速いペースを生み出しています。
フロリダのマイアミデイドカウンティが所有し運営する公共施設であるCrandon Parkでは、コース設計者のJohn Sanfordが、ゴルファーの通行を、ヒートマップを作成し解析することで、レイアウトの再設計で変更される40エーカー以上の芝地を特定しました。この再設計による財務上の影響は、年間35万ドルを超える水コストの削減になります。
浜名湖カントリークラブは、年間1250トンの二酸化炭素排出量を削減する太陽光発電および風力発電プログラムを開始し、16年間で投資収益が増加すると期待されています。
Golf Australiaは、ゴルフ管理運営を全国レベルで統合した結果、1万4000人の会員が加わり、プログラムに400万ドルが再投資されました。
日本ゴルフ協会の竹田恆正会長は、「USGAゴルフイノベーションシンポジウムでは、ゴルフをする場所に関係なく、ゴルフゲームを強化し、より持続可能なものにするための共通の課題がたくさんあることを見せてくれました」と述べられました。今回のシンポジウムで、USGAは、データとテクノロジーを活用して、産業に必要なソリューションを提供するための今後の道を示しました。
David ShefterはUSGAのシニアスタッフライター。
Email him at dshefter@usga.org.

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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