2023年3月9日

 私たちが数えたところによると、昨年のゴルフコースの閉鎖数は18ホール換算(18-HEQ)で105でした。この数は、2019年の供給調整のピークから62%減少したことを意味します。

 子供がロードトリップで「もうすぐ到着するの?」と尋ねるように、供給と需要はついに理にかなったバランスに戻ったのでしょうか? 調整は終わりましたか? 少なくともマクロレベルでは、質問には「一部条件付きで」とした肯定的な答えがあります。

 それを示すいくつかの事例があります。第一に、18-HEQ当たりのゴルファーの数は、ゴルフ供給と需要がかなりバランスしていた1990年代のゴルフ開発ブーム前の水準に戻っています。図1は、ゴルフコースの開発の急増によるこの重要な18H-HEQの比率の低下と、その後の回復を示しています。

 これは、ゴルフコース間の競争がやや少なくなり、パンデミックによる需要の増加、そしてグリーンフィーと会員費のわずかな値上げの結果により、ゴルフコースが再び利益を上げていることの一因です。 2022年のNGF(米国ゴルフ財団)によるゴルフ施設の調査では、公営コースではわずか4%が、私企業のクラブのわずか1%が財政的に苦しんでいる状態が明らかになりました。これは従来の調査からの急激な減少です。同じ調査では、3分の2の公営コースと4分の5の私企業クラブが良好または優れた財政状態にあるとしています。

 もちろん、今年に限らず毎年、ゴルフコースの閉鎖が見られるでしょう。ゴルフコースは、ほとんどが小規模企業です。国内には数千ものゴルフコースがあります。閉鎖になる原因は、ゴルフの人気が低下したためとは限りません。十分な利益が出ない場合や、土地の価値がコースその評価額よりも高くなってしまったケースもあります。また、経営を継承できない場合や、買い手がつかない場合もあります。

 昨年のコース閉鎖は、総供給量の約1%でした。通常のゴルフコースの経営撤退率はどの程度かはわかりませんが、およそ0.5%から1%の範囲であると考えられます。それは、他の小規模企業に比べてかなり低い数字だと言えます。

 米国労働統計局(BLS)によると、新しいビジネスの約20%は、開業してから2年以内に行き詰まり、45%は最初の5年間で結果を出せず、65%は最初の10年間で撤退します。新規参入したビジネスのうち、25%しか15年以上続かないという統計データがあります。これらの数字は1990年代以降、あまり変わっておらず、比較的安定しています。この基準に照らせば、私たちのゴルフコースの市場撤退率は恥ずかしい事例ではありません。

 米国のゴルフ施設供給数については、NGF会員の方はこちらから年次ゴルフ施設報告書にアクセスするか、こちらから関連するスポットライト記事や関連レポートをご覧ください。

出典:National Golf Foundation – Are We There Yet? (ngf.org)

By 喜田 任紀

月刊ゴルフマネジメント前編集長、一般社団法人関東ゴルフ連盟グリーン委員会参与

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